《Milkyway3》简评:
雑誌企画から生まれた製作決定!?
——本日は発売直前のお忙しい最中、ご対応いただきありがとうございます。早速月並みですが、「Milkyway3」の企画が立ち上がった経緯からお聞かせください。
瀬之本「あれは……もう一昨年のことになりますね」
GOU「具体的な時期でいえば2003年の9月から10月頃でしょうか、『ふえいく』の次のタイトルとして立ち上がりました。最初から『Milkyway』の続編をやろう!と決めていたわけではなかったんですが、ちようどその頃BugBugさんで連載をやってまして、その持ちネタの一つとして『Milkyway』ネタがあったんですよ。せっかくこういうものがあるのなら使わない手はない!というわけで、なかば成り行きに近い形ですんなり続編制作が決まりました。
もっとも、BugBugの連載ではメイド……現在の友梨香の原型ですね。彼女くらいしかいなくて、しかもこの時点では名無しだったんですよ。だから、あくまでアイデアの発端だったというだけで、ほとんど1から構築したようなもんでしたね」
瀬之本「キャラ設定のほうに話が降りてきたのは確か11月くらいですよ。スクリプトと同じくらいの時期。
今までの同シリーズと違って、今回は僕一人でやるという話になって面食らったことをよく覚えています。もともと『1』と『2』ではサブ原画というポジションだったので、メインを張るというのはとにかく緊張しましたよ。僕自身が元来、かわいいキャラクターというのはあまりやったことがなかった人間なんで、すべてにおいて悩んでいました。なにしろ『2』の時に制服デザインコンテストを社内でやったのですが、当時ことごとく落とされましたからね(笑)。
実は今でもキャラクターや制服のデザインとかはよく悩んでいますよ。悪いな悪いなと思いつつも、いつの間にか時間をかけてしまっている。自分一人だけだとやっぱキツいですね。そういう意味では、今回の「3」は期間的にも力量的にもかなりの難産だったと思います。この辺に関しては今後においても自分の大きな課題ですよ」
——CGの塗り方などでは悩まれたことというのはありましたか?
TETU「キャラクター原案からCGのすり合わせは当然それ相応に行ったのですが、それほど苦労したということはなかったと思います。瀬之本からはそれほど具体的な指示があったわけでもないんで、僕から見れば『黙して語らない王様』って印象ですね。見た目の貫禄からしても」
瀬之本「別に語らないというわけでもないんだけど、CGの塗り方とか色映えとかってプロの職人の領域じゃないですか。僕が言ったところで勝てないですからね。ほとんど餅は餅屋のノリで全面的にお願いしちやいました。Witchとしての積み重ねというか歴然としたメーカーのカラーというものがありますし、僕がいまさら言うようなことでもないんじゃないかな?」
TETU「塗りという意味では、今回は全般的に配色を変えてみたんですよ。よくユーザーさんからある指摘の中に『色使いが濃い』というのがあって、影の入れ方を明るくしてみました。自分の中では今回の開発中におけるテーマの一つでしたね。
例えるならば……豚骨ラーメンが東京豚骨くらいになった感じと言えばいいでしょうか!?僕は豚骨ラーメン嫌いですが(笑)。良くも悪くも今回はCGの彩色ラインが時休眠だった期間があったので、その間に割と試行錯誤する時間がありました。これであとはユーザーさんからの評価さえ得られれば、この期間もあながち無駄じゃなかったかなとも思えるのですが」
好余曲折あったキャラクターメイキング
——CGの話題が出たところで、キャラクター作成段階のエビソードを聞かせてください
GOU「本作はヒロインが多いんでどれから語せばいいんでしょうね?とりあえず思いつく順に語っていきましょうか」
濑之本「一番すんなり決まったのは恋文と咲夜ですね、恋文はまさに性格設定から起こしたキャラクターまんまでよかったのですが、咲夜は前作から20年後の設定ということでオバサンキャラを描いたのですが没をくらっちゃいました。いくら実年齢が40歳とはいえイメージブロークンだからという理由だったんですが、極端な若作りという言い訳をしながら描いたものでOKが出ました。僕に言わせれば『ンなわけないだろ」なんですが。
その次あたりに来るのが友梨香、悠璃ですね。友梨香は冒頭で言ったとおり女の子のメイドさんというイメージが先にありきだったんです。当初はロリキャラを描いていたんですが、キャラ表が来てみると見た目が18歳くらいとあったので、あわてて直したことが記憶に残っています。悠璃はこれといった印象がないですね。強いて言えば髪の毛の形状が塗りにくかったせいで、CGから『どうやって影乗せんだよ?」と言われたことくらいでしょうかね」
TETU「そう!ロールのような部分とか、影形がハッキリしていないんですよ。塗る側からすれば手のかかるキャラでした。あとはキラも。こいつも、髪の毛の光の当たり方とかわからなくて相当迷いましたよ。『こいつの髪型はマジンガーの主人公かよ!』とかツツコミいれたりして」
濑之本「キラは青年と少女の中間のイメージという注文だったんですが、デザインにもーヶ月はたっぷりかかりました。自分はヤンチャなキャラを想像していたんですが、『こうじゃない』って、髪型や顔立ちで意見のすり合わせが大変でした。独特の髪型にも迷いの跡が見えますよね。
雪花は……それなりにキャラメイクに突込みがありそうなキャラだなと思います。デザインの最中にもパクリにならないようにという注意はいただきました(笑)。サラは注文がめちゃくちゃシンプルですね『黒人口リな』これだけ。なかなかイメージが掴めなくて、固まるまでは結構キモいキャラを描いていたような……。
魅是琉はシナリオの悠月からの意思がかなり色濃く反映されているキャラです。頭身やデザインにいたるまでかなり注文がありましたよ。その中でも自分なりにオリジナリティを出そうとしたのが頭についている筒だったりします。
柚香は一番描きにくいキャラでした。髪型が左右対称じゃないので、立体として捉えるのが難しいんです。以前進堂さんのトークライブでも『一番描きにくい』って白状しちゃいました」
GOU「さすがに頭数が多いと説明するだけでも時間がかかりますね。キャラ設定だけでこれだから、実際のイベント原画を描いている間もいろいろと変化があったんです。一番大きな違いはHシーンの見せ方なんですが、開発初期に原画が描かれたもの……例えば魅是琉や悠璃なんかは男との絡みもなく股間もツルツルなんですね。モザイクをかける必要もないくらい。逆に最後のほうに描かれたサラは何でもアリですよ。エロエロになりました(笑)。
何で変わっていったかといえば、それは長期にわたる開発中に様々なメーカーさんの作品を見て見せ方に対する心境の変化があったためなんですよね。だから最終的にはみんな処女で、もっと痛そうに、もっと血をなんて指示を出していました。
あえて答えは言いませんが、演出の過激さで並べるとおおむねの原画を描いた順番がわかるかもしれませんね」
腕を骨折!?開発中のトラブル続出
——そういえば、今回の「Milkyway3」は開発にかなり時間がかかりましたね。それにまつわる話も聞かせてください。
GOU「これについては、まず純粋に『ごめんなさい』と言わせてください! 当初はこれほどまでに時間をかけるつもりはなかったのですが、本当に諸々の事情でここまで延期せざるを得ませんでした。一番の事情といえばやはり途中での開発メンバーの入れ替わりなんですが、実際僕が進行役をやったのも途中からだったんです。この辺は、体験版やデモのスタッフロールと製品版が異なっているところからでも当時の苦労が見えるでしょう? その辺から察していただければ……あまり自慢の出来る話でもありませんしね。
まあ、こういった内情にまつわる話は、買ってくださるお客さんは知ったこっちゃないことなので単なる言い訳にしか過ぎないことも承知しています。でも、懺悔の意味も含めて、ここで当時あった状況を洗いざらい白状しちゃいます」
TETU「まず挙げられるといえばシナリオライターの急病ですかね。それになんといっても瀬之本の腕の骨折!」
瀬之本「そうなんです。絵描きとしては致命的なことに腕を骨折しちゃったんです。時期は去年の6月~7月頃だったかな?不幸中の幸いというか、折ったのは左腕だったんでまったく作業が出来なかったわけじゃなかったんですが、あれのせいで完治まで1ヶ月半から2ヶ月くらいの間、思いきり作画のペースが落ちましたね」
——その骨折の原因は事故とかで?
瀬之本「いえ、これがお恥ずかしい話で会社近くの道路の溝で転んだだけなんですよ。転んだ後しばらく会社で仕事をしていたんですが、どんどん痛みが増してくるんですよ。額の汗も脂汗になってきましてね、さすがにやばいと思って病院に行ってみたら、医者にあっさりと『あ、こりゃ折れてますね』と言われちゃいました」
GOU「瀬之本は外人太りで重心が悪いからね。おまけに不摂生なもんだから骨が相当弱かったんじゃないですか? 瀬之本が朝に腕を吊っているのを見たときは『テメエの体重のせいだ!』って言っちゃいましたから(笑)。本人も言っていたように、左腕だったのがせめてもの救いでしたね」
瀬之本「ハッキリ言って、こいつら僕が怪我しても全然優しくないんですよ。こんな状況でもお構いなしに『メシ!」『コーヒ一買って来い!』なんてセリフがガンガン飛び交いますから」
GOU「まあ、瀬之本の腕の話なんて、当時社外ではおくびにも出しませんでした。広報担当の身としては遅れたことに平謝りしつつ、外にはバレないように、と。
でも、一時期無期発売延期の発表をしたときにはユーザーの反応が怖かったですね。もうBBSなんて怖くて見に行けないくらい。でも、2~3ヶ月延期をして、さらにまた延期を発表といったズルズルと延ばすような無責任な発言はしたくなかったんです。次に発売日告知をするときにはきちんと目処がついたときだ、自分に対してもチーム皆に対しても言い聞かせました。
ただ、『無期発売延期』という言葉は相当迫力あったようで、このままお蔵入りになるんじゃないかと心配してくださったユーザーさんがたくさんいらっしゃったことについて本心から申し訳なかったなと思います。裏で着々と開発はしていたのですが、当時はそれを胸を張って言えるタイミングではなかったもので……。そして、その一方で原因の一端ともいえる自己管理について徹底させました。体調管理もプロの仕事のうちですからね。瀬之本にも『これからは足元見ながら歩け』って言いましたから」
TETU「それって人生に自信がない人に見えないか? せめて『周りを見て歩け」くらいのほうがいいと思うぞ。普段からスパゲティ食おうかハンバーグ食おうかなんて考えてっからコケるんだって。今度から首輪でもつけて歩かせるか(笑)」
瀬之本「(涙)」
口は悪いが仲はいいWitch流意思疎通法
——さっきからインタビュー内の会話とは思えないくらい皆さん毒舌入ってますね
普段からこんな感じなんですか?
GOU「うちの会社は僕も含めて皆開けっ広げというか、ざっくばらんだよね。言いたいことはその場で言う。だから、傍目から見ると口の悪い連中に見えるかもしれないけど、案外お互い腹の中に溜め込まない分、ストレスもたまらないんですよ」
濑之本「それでもGOUの言葉はかなりきついですよ。僕なんかはもう慣れちゃいましたけど、知らない人間だったら相当へこむんじゃないかな。『可愛くねえ』『こんな絵じゃ僕だったら買わないよ』って具合でとにかくスパッと言う。
今だったらこういう人間だからと割り引いて話が聞けるけど、当時はやはりショックだったですよ。でも、本音で言ってくれるからお互いプロの姿としてはあるべき状態なんでしょうね。本当にありがたいと思います。たまに褒められたときなんかガッツポーズとっちゃいますもん(笑)」
GOU「僕なんて営業や広報を兼務してますから、外の意見をダイレクトに聞いているわけですよ。そんな僕が社内の人間に遠慮してもしょうがないじゃないですか。外で得てきたお客さんの反応や意見を、自分の言葉を使ってわかりやすくスタッフに伝える。その流れでキツイ言葉が飛び出してくるかもしれないけど、本当にいいと思ったものについてはそれなりの言葉を返しているつもりです。『うわー、エロ!』とか言っちゃったりしますからね。まあ、僕というフィルターを通している分、店舗用テレカとか自分の好みや色が多少は出ちゃうことはありますが、そのくらいは役得ということで 」
瀬之本「GOUはうちの社員の中で一番ユーザーに近いポジションにいる、いわばー番最初に絵を見てもらえるお客さんなんですよ。だから彼の正直な意見には幾度と救われていますし、助かっていると本当に思います」
TETU「こういうのって、言わないでフラストレーションがたまった後でドカンと言われるよりは、その場その場で意見してくれたほうが絶対いいですね。まとめて言うと、いつの何に対して言ったことなのか焦点がかすれてしまう。その場でコメントしてくれれば問題のポイントが明確だから結果的にいい方向に行きます」
GOU「それに付け加えるなら、発言にはメッセージ性がハッキリするように注意しています。たった一言『可愛くない』じゃあまりに無責任ですし、まず最初にドンと結論を述べてそれに対する傾向と対策を付け加えるという論法です。そのほうが何が言いたいかという根幹の部分がより明確ですから。以前に比べてディスカッションの機会が大幅に増えましたが、言いたいことをぶつけ合うことができるいい傾向かなと思います」
獅子舞口ボ?全然なっちゃいねえ!
——ところで話は変わりますが、皆さんの趣味性や好みがゲームに反映されたケースとかはありましたか?
GOU「僕の場合は進行をやっているせいもあって、やはり自分の好みとかが反映されるケースはそれなりにあると思います。さっきも多少触れましたが、店舗用テレカとか細かい部分などで僕色に染めてしまった感はありましたね(笑)。
あとは、『Milkyway1』の頃から咲夜が好きだったキャラだったということもあって、『3』で攻略対象キャラになった部分とかが趣味といえば趣味です。とてもいいシナリオが上がってきたので自分の中でも満足しています」
TETU「僕は無趣味なんでそういうのは特に 強いて言えば銃器やメカ系が好きなのですが、本作には活かせる場所もないですしね。雪花の戦闘シーンとかあれば、きっと鉄や油あふれるCGを喜んで描いていたかも」
瀬之本「えー、ボルトとか別レイヤーで描き込んであったでしょう。あれがこだわりじゃないというなら、なんなんだか。
そういえば、年賀状のイラストで魅是琉と一緒に獅子舞口ボを描いたことがあったんですが、TETUにさんざ文句を言われましたね。『全然なっちゃいねえ!』って感じで」
TETU「彼が描くメカはハッキリ言って思いつきなんですよ。立体として捉えていないんでメカを描くなら最初に『設定図を描いてからやれ』って言いたいですね」
瀬之本「年賀状イラスト1枚描くために設定を起こすヤツがいるかよ!(笑)
僕自身は割りとD&D(米国製の古典的テーブルトークRPG)から入ってるんで、モンスターとかドラゴンとかが好きなんですよ。さすがに『Milkyway』には活かしようがないですね。せいぜい描けるメカといえばガンダムくらいで……」
(この一言がきっかけで、即興でガンダムイラストを描く羽目になってしまった瀬之本。それを見たTETUのコメントは……以下、下写真参照)
Milkywayの次回作は?
——もう、すでに次回作の開発にかかっていると聞きましたが、話せる範囲で教えてもらえませんか?
瀬之本「ちょうど今は産みの苦しみの真っ最中ですね。実はちょっと絵柄を変えてみようと画策しています。自分自身飽きっぽいんでしょうかね? さすがに今の段階ではお見せできませんが、その辺は正式発表までお待ちください」
GOU「内容的には『明るいけどエッチ』路線を考えています。『Milkyway3』でヒロインが多すぎたかなと思っているので、半分くらいを目処に人数を絞る予定です。どうしても人数が多いと、CG総数から割ると一人あたりを掘り下げることが難しいですからね。
また、『Milkyway』のようなエッセンスとしてのHよりは、シナリオに組み込まれたHシーンを考えています。人数を絞った分、Hシーンの頻度とボリュームを増して、より深みを持たせたいですね。例えば、初Hの初々しさから、ただれたHまでといった『進化するH』。ただれた状態をそもそも進化と呼べるのかはなんとも言えませんが」
——それは、『Milkyway』の続編という位置づけなんですか?
GOU「そもそも『Milkyway」とは違うものというコンセプトから立案しているんで全然違うものになります。それに『Milkyway』は今回の『3』が総決算のつもりで開発したのでおそらくもう次回作、続編を作ることもないでしょうね。
多少ネタバレになりますが、咲夜エンドでMilkywayが壊されるシーンも、そういった僕たちの意思の表れでもあります。咲夜から始まったMilkywayが咲夜で終わるというのも感慨深いものがありますよ。もし仮に『4』を作ったとしても、『3』から20年後といえば咲夜も60歳のおばさんでしょ。さすがに若作りといっても無理のある年齢ですよね」
濑之本「『Milkyway3』はかなりお待たせした分、盛り込めるものは出し惜しみなく全部出し切りました。僕も、デバッグとか今までやらなかった部分にまで参加させてもらいましたし、テストブレイの最中も手前味噌ながら『おおおっ』と思えるシナリオだと感じました。ぜひ、まだ遊んでいないユーザーさんにも楽しんで欲しいです」
TETU「そうですね、延期に次ぐ延期。これがやっぱり、開発中に一番心に残った出来事です。ようやく出来上がりましたので、遊んでやってください」
GOU「皆と同じ言葉の繰り返しですが、やはりここまで遅れてしまったことで申し訳ない気持ちが本音です。でも、シナリオのノリや妙、咲夜ですべてを締めくくるラストなど、『Milkyway』の最後にふさわしいものにしたつもりです。最後なのでぜひすべてのユーザーさんにエンディングまで全部見て欲しいですよ。
そして、今回の開発を教訓に『延期はしません』『適当な発表はしません』これを肝に銘じたいですね。そう考えれば、『3』の延期も今思い返せば、決してムダなものじゃなかったかなとも思えますね。少々言葉が多くなりましたが、我々メーカーは本来、作品で勝負です。伝えたいメッセージ、語りたいことは作品で語っていきますよ」
——どうもありがとうございました。
可能有些地方有错字,毕竟用OCR识别也没怎么校对。
来自:Bangumi